どんな症状でも「まず背骨から」施術を始める理由
当院では、肩こりや腰痛だけでなく、たとえば足首の痛みを訴える患者様に対しても、必ず最初に背骨まわりの筋膜リリースを行います。なぜ背骨から始めるのか、その理由を多方面から解説いたします。
1. 神経の出発点だから
人の神経は脊髄から枝分かれして全身に広がっています。背骨の周りが硬くなると、神経の働きに乱れが生じ、痛みや違和感が長引く原因になります。背骨を整えることで、神経の流れをスムーズにし、症状の改善につながります。
2. 自律神経を整えるため
交感神経は背骨のすぐそばを走っています。背骨まわりが緊張すると交感神経が過剰に働き、血流や消化、睡眠に影響します。背骨をゆるめると自律神経のバランスが整い、全身の調子が改善されやすくなります。
3. 姿勢や体のバランスに直結するから
背骨は体の土台です。背骨まわりを緩めると姿勢や骨盤のバランスが整い、歩き方や荷重のかかり方が改善されます。これにより、足首などの末端にかかっていた余分な負担が減ります。
4. 全身の筋膜がつながっているから
背骨の周りには大きな筋膜の幹線道路(胸腰筋膜)が走っています。ここが硬いと足や腕まで張ってしまいます。逆に背骨を緩めると、末端まで自然と楽になるのです。
5. 血流とリンパの流れを改善するから
背骨の緊張が取れると、骨盤まわりの血流やリンパの流れも良くなります。これにより足首の腫れや慢性的な炎症の改善にもつながります。
6. 安全で効果がわかりやすいから
痛みのある部分をいきなり触るより、まず背骨まわりから施術すると安心感があります。実際に「呼吸が楽になった」「体が軽くなった」と感じる方も多く、その後の施術効果も高まりやすいです。
まとめ
背骨まわりの筋膜リリースは、全身の神経・循環・筋膜・姿勢の「基盤」を整えるためにとても重要です。足首の痛みのように一見関係なさそうな症状でも、背骨から施術を始めることで土台が安定し、局所の改善がスムーズに進みます。
「どんな患者様にもまず背骨から」というのは、理論的にも実践的にも意味のあるアプローチなのです。